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2015年10月16日更新
「本物」の学力を身につけるために必要なこと(3)

将来に向けて役立つ学習力

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「進研ゼミ」では、小学生の今大切な学力のみならず、中学・高校、またその先の未来をみすえた学力について、常に考え続けています。そうした将来に向けて必要な「本物」の学力とは何か、身につけるために何が大切なのか。特別連載の第3回めは、学習力が将来にわたって必要な力と考えられる理由についてお伝えします。
中垣 眞紀(なかがき まき)

ベネッセ教育総合研究所主任研究員。小学校領域のカリキュラム・アセスメントについての調査研究に詳しい。現在は「学ぶ力」を身につけるためのICT活用方法などの研究に従事。

「進研ゼミ小学講座」が考える「学習力」って、何?

学習力は、社会に出たときにこそ支えになる

 

これまで2回にわたって学習力について考えてきたのですが、それでもやはり、まずは学力、特にテストの点数が気になってしまう、というのが保護者のかたの本音かもしれません。

 

そういうお気持ちは当然でしょうね。

でも少し冷静に、なぜテストの点が気になるのか、なぜ学力がついていないといけないと思うのかを考えると、みなさん、自分の子供に将来、きちんと社会人として自立した人間になってほしいから、という思いからですよね。

 

それはそうですね。就職状況も多少持ち直しているようですが、いつまた不景気になるかわかりませんし、非正規職が増えているというニュースなどを見ると、安定した仕事について自立してほしいと思うと、学力をつけて、ある程度の学歴を、と考えるのかもしれません。

 

学習力というのは、要は課題に自立的・自律的に取り組む能力なんです。

たとえば社会人になったとき、仕事を与えられました、言われたとおりにやりました、では、コンピュータがどんどん進化して、単純なルーチンワークはどんどん機械か人工知能におきかえられると予測されている今後の時代には、仕事を得ることも難しくなるでしょう。

そんなこれからの社会で求められるのは、自分で目的や解決方法を考えて、目的達成のために自立(律)的に仕事ができる人です。

ある仕事を3か月でやらなくてはならないなら、その期間は目標達成のために生活全般を調整することもできなくてはいけないですし、毎日計画的にやるべきことをこなしていく習慣化・計画力も大切です。そして何より、その仕事をよりよい状態に仕上げていくための意欲。

すべて、現在「進研ゼミ」で提案している学習力と根っこは同じなんです。

 

なるほど。でもそんな将来のことまで今から考えていくのも大変そうですね...

 

そうですね。ですから、小学生の今は、目の前の学習という重要なテーマを対象に、そういう力を育んでいく練習期間なのだと考えてみてはどうでしょうか。だから、失敗してもいいし、失敗したら、次にどうすればいいかを考えればいい。そうしてだんだん成長できればいいのだと考えられることも大切な学習力なのです。

 

 

小学生のうちに身につけたい「学習力」とは

 

確かに、学校に行って勉強するのは、将来社会に出て社会人としてちゃんと生きていけるようにするためですから、大きな意味で、その訓練なんですよね。とすると、小学生のうちにやっておくべきことというと?

 

くり返しになりますが、やはりまずは学習する習慣ですね。低学年のうちはおうちのかたといっしょに毎日の生活の中で習慣化して、「そうするものなのだ」と思わせられるといいですね。中学年くらいになると、自分を少しずつ客観視できてきますので、やる気がないときはいっそのことその日はやめてしまって翌日の朝やろうとか、そういう調整をおうちのかたと相談しながらやってもいい。高学年になったら、そういう調整を自分で考えてできるようにするのが理想的な流れです。

 

うーん、難しいと感じるご家庭も多いのでは。

 

特に中高学年で学習習慣でつまずくケースは、意欲の面で問題があるケースが多いかもしれません。勉強はいやなもの、という意識をもってしまうと、それを払しょくするのは難しいですから、ぜひやる気満々の低学年のころに、おだてて木に登るくらい、「勉強楽しい!わかるっておもしろい!」というマインドをもたせてあげてください。それに加えて、好きなことをとことん追求する体験も大切です。

 

現在すでにお子さまが中高学年という場合でも、考え方をリセットすることはできます。

中高学年になると、何のために勉強するのかとか、どうしたらできるのかといったことを考えられるようになりますので、目標を徹底的に明確にしてみて、達成するための作戦を立て、やり方や内容を精査して実行してみる、ということを、おうちのかたも手伝って一度やってみてください。

やってみたらできた、という経験をすれば、次はこうしてみたらもっとうまくいくかなとか、失敗したときはこうすればいいかな、と次のことを自分で考えられるようになります。

 

勉強はやりたくなくてもやるべきものだからと、やみくもにやらせようとしても成果は上がりません。学習方法をちゃんと考えて工夫できることが重要なのです。

 

社会人の仕事と同じように、

 

目標を立てる

取り組む

成果につなげる

 

というサイクルをまわす練習なのです。

 

ほんとに仕事みたいですね!

 

はい、そのとおりです。このときに大切なのは、成績=成果だけを見るのではなく、できなかったときは、なぜできなったかの原因を考えて、次はそこを解決して取り組む、というように、このサイクルをくるくるとまわせるか、原因をあいまいにしないでプロセスを見るということです。それによって成果につながる具体的な目標を立てられるようになり、自立(律)的に取り組み方を考えることができるようになるのです。

 

 

失敗してもいいから、自分で決める練習を

 

やはりプロセス重視、なのですね。

 

仕事でもそうですよね。もちろん結果も大切だけれど、できる人というのは、自分で今何が問題かを考えて提案できるし、やり方を工夫できる人だと思いませんか。

でもこういうことを小学校のうちにやっておくことは本当に大切なんです。中学校では、そういうことは普通に求められます。小学校の先生はとても丁寧ですから、中学校に進学したとたん、そのギャップでつまずくということもあります。手取り足取り、それこそ塾などで丁寧にサポートして、ということも可能ですが、いつまでもそうするわけにもいきませんよね。

 

たとえば将来、外科手術などはすべてロボットでできるようになるのではないかといわれています。人間にしかできないのは新しいことを生み出すこと。そのためには自分で考え、できることを増やしていく必要があるのです。

 

自分は何で生きていくのか。自分は何者か、何ができるのか、得意なことは何か、こういうところで活躍したいと考えて、自分で決める。万能にはなれないので、自分の特性をどうとらえて社会で生きていくために何をできるのか、とことん考えないといけない時代になってきています。

 

大学入試も、そうした方向への変更が検討されています。

今の5年生から対象になりますので、そういった変化も保護者のかたはしっかりとみていく必要がありますね。

 

ううむ、あれもこれもで、なんだか混乱してしまいます。

 

大丈夫ですよ。大切なのは子供を自立に導くこと、そのためにどうするかということです。日常生活の中でも、常に自分の意思で考えて決めさせる、ということを意識するだけでも違います。

 

イライラしてしまうことも多いと思いますが、将来の子供の自立に向けて、保護者のかた自身も、自分が学んだり考えたりする姿を見せていくことで、子供にもいい影響を与えることができるのではないでしょうか。

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