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2015年09月15日更新
「本物」の学力を身につけるために必要なこと(2)

小学生の「実力テスト」でわかること

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学力とひと口にいっても、「まずは読み書き計算」と考えるかたもいれば、「考える力が大切」というかたもいらっしゃるでしょう。この特別連載では、3回にわたって、「本物」の学力とは何か、身につけるために何が大切なのか、ということを改めて考えてみたいと思います。第2回目の今回は、小学生にとっての実力テストの意味について、考えます。
磯 彩子(いそ あやこ)

「進研ゼミ小学講座 実力診断テスト」制作責任者

「進研ゼミ小学講座」が考える「学習力」って、何?
小学生の「実力」とは何か?

最近は、塾などで小学生のいろいろな実力テストや全国テストが実施されていますよね。小学校の通知表では、他の子供との差もあまりわからないし、自分の子供の実力がどのくらいのものか、知りたい気がします。

そうですね。実は「進研ゼミ小学講座」の実力テストの参加者は、1年生から6年生まで207.2万人(H26年のべ提出人数)で、日本国内では最大の小学生向けのテストなんです。続けて受けていただければ、得点の推移なども見られますし、高学年になれば、全国や県内での順位などもわかります。

そうなんですね。でも、1年生だとテストはほとんど100点、ということも多いですし、テストを受ける意味はあるんでしょうか。

テストというと、どうしても順位や偏差値などが気になってしまいますよね。でも、特に低学年のうちは、テストは教材の一部として活用していただきたいと思っているんです。

教材の一部ですか?

はい。たとえば、習ったばかりの単元の問題は、100点をとっても、当たり前といえば当たり前ですよね。1か月たってから、「赤ペン先生の問題」などをやると、少し忘れていることも出てくるけれど、赤ペン先生の指導で思い出せれば、それで大丈夫。

それが、習って3・4か月たった内容となると、けっこう覚えていなくて忘れていることも多いものです。「進研ゼミ小学講座」の実力テストは、年3回(小1は8月号と3月号)のタイミングで、前に習ったことをきちんと覚えているかどうかを確認するテストです。そうした「時間がたっても、きちんと覚えていて、問題を解ける状態」というのが、「真の実力がついている」ことだと考えているのです。

なるほど。確かに「実力テスト」って、範囲が広いものですよね。それに、前に習ったことは忘れやすいから、それが解ければ「実力がついている」と。確かにそのとおりかもしれません。

はい。たとえば塾の入塾テストなどは、子供の実力レベルをはかってクラス分けをするためのテストだったりもするので、実力の差を広げてわかりやすく示すために、難易度をつけた、大人でも難しいと感じるような問題が出たりします。

一方、「進研ゼミ」のテストは、「今までに習ったことがきちんと定着しているかどうか」を確認するテストなので、まるで目的が違うといってもいいかもしれませんね。 

実力テストで、学期の総まとめと振り返りを

教材の一部ということは、活用しないと損という感じですね。

はい、もちろんです。ぜひ取り組んで提出してください(笑)。

それに、そう考えると、前に習ったことをきちんと覚えていて、問題を解けたら、それだけですごい!と思いませんか?「進研ゼミ」のテストは、ぜひ「ほめるための材料」としても使っていただきたいんです。

 ほめるための材料...でもやっぱり、点数が悪かったらショックです。

そうですね。どうしても点数に目がいきがちだと思いますが、注目していただきたいのは、成績表と、個別の正誤状況に合わせてお届けする復習ドリルなんです。教材の一部ですので、点数が出ました、ハイ終わりではなく、ぜひ学期の総まとめ・振り返りの材料にしてほしいんですね。

よく実力テストではどの単元ができてないからそこを復習しましょう、というアドバイスがあると思います。もちろんそういった単元別の実力もわかりますが、「進研ゼミ」の実力テストの成績表には、学力についての3つの観点「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」別の力のバランスを示し、観点別の実力がわかる評価を出しています。

この単元が苦手なんだね、で終わるのではなく、まずは知識がついていないんだな、とか、技能=計算や書き取りなどができていないだけだからそこをやろう、とか、具体的にどこを攻めていけばいいかがわかるアドバイスもあるのです。

あの成績表はそうやって見るんですね。

はい。その他に、学力を伸ばすための「学習力」も独自に診断しています。

学習意欲・学習習慣・学習スキルの3つについては、当然大切なものとおうちのかたもお考えだと思いますし、いろいろな研究者のかたも、学力を伸ばすために、その3要素はとても大切だとおっしゃっているんですね。

たとえば学習スキルの観点でいうと、テストの結果を受けて、解き直したり振り返りをやる子とやらない子ではぜんぜん違いますよね。小学生でも、少なくとも自分の学習の結果を振り返っていくことは重要です。

小学校低学年ですと、まずは○か×かに興味をもつところからかもしれません。○がついたらうれしい、×がついたら悔しいから、次にはできるようにしよう。それが原点です。高学年になると、自分でまるつけをして、まちがえたところは解説を読んで理解して、もう一度やって解けるかどうか確かめるところまでが大切なんです。

学習力は長年の蓄積とベテラン先生の経験から診断

やるのが大切なのはわかっていても、なかなか難しいですよね。学習力はどういう基準ではかっているんですか?

学習に向かう態度や行動についてアンケートでおうかがいして、弊社独自で作成している学習力のシラバス(計画)というものに照らし合わせて診断しています。

各学年でゴールが違うので設問も変わりますが、「進研ゼミ」の長い歴史の中で、多くの小学生に活用していただくことでストックされてきたものです。今年(2015年度)は、内容を新たに見直して、今の子供にフィットしているかを多くの先生がたにうかがって作成し直しました。小学6年生、ひいては中学・高校に向けて、それぞれの学年で必要な、学習のためにやるべきことができていれば、学力は着実についていくものです。

先生というのは、どういうかたがたなんですか。

子供をよくご存じで、実際に成果を出しているベテランの先生や、長年教育研究に携わっている先生がたです。たとえば、高学年をよく知る先生は、1週間ごとのスケジュール計画などを5年生から始めて、6年生になってきちんと自分で立てられるようになることをめざすとおっしゃっていました。それができれば、中学に進学して、いざ定期テストというときに、計画を立てて勉強できますよね。そういう、先を見据えた経験則を、診断の軸に落とし込んでいるのです。「進研ゼミ」では、そういうところまで、「自分で学習できること」をサポートしたいと考えているのです。

実は、多くの専門家の先生がたも、ここまで体系化されたことはないと感心されたものでもあります。現場や研究者の先生の頭の中にある「この学年でここまでできていればOK」のガイドラインが、ある程度整理されたものに沿って診断しているといえると思います。

なるほど、そういう先生の知見を生かしているということなんですね。

はい。もちろんアンケートですから、自己評価で、客観評価ではありません。これをもとに、うちの子はこういうことができているんだ、ここをこうすればいいのか、ということを知る材料にしてほしいと思っています。ここまでできているから、次はこういう行動をするのがいいという、次の見通しをもっていただければと思います。

できなかったことができたらほめる

でも、やっぱり点数が気になってしまいそうです。

どうしてもテストが戻ってくると点数に注目して、とにかく漢字を書いて、などと言いがちですよね。でも、それだけではいまひとつ学力が伸びず、勉強することそのものがいやになってしまう、ということにもなりかねません。

たとえば学習習慣ができていないのであれば、まず、決められた時間に決められた場所で、継続的に勉強する習慣をつけることですよね。今できてないことに気づくきっかけにしていただければと思っています。

特に低学年のころに、やりっぱなしではなく、ふだんからちゃんとまるつけをして、「ここはできたね」「ここはやり直したらできたね」、という振り返りのやりとりをしていただければ、あとあとずっと伸びていく基礎になります。

 やはり振り返りですか...でも子供は一度解いた問題はやりたがらないものですし、実力テストは問題を捨ててしまってわからないというご家庭もあるようです。それに、子供のほうが点数に執着してしまって、絶対に×がいやだ、といったケースも聞きます。

それはついつい保護者のかたが「できていない」ことに着目してしまうからかもしれません。経験豊富な先生や声かけの上手な保護者のかたは、「できていなかったことができるようになった」ときに、実にタイミングよくほめるんですよね。

平均より10点低いことを責めるのではなく、やり直してできたらすごい、と意識付けできれば、まちがえることがいけないのではなく、次にできればいいと思えるようになります。この実力テストでは、特にそこを大切にしていただければと思います。

具体的には、どう接していけばいいのでしょうか。

まず成績表が届いたときには、全体を見て、点数はもちろん見るのですが、手元に問題があれば振り返りをして、まちがったところができたらすごいことだとほめてあげてほしいですね。大切なのは受けっぱなしにせず、振り返って「できるようにする」ことなんです。

低学年は100点以外とらせたくないというおうちのかたもいらっしゃいますが、提出する前におうちのかたが見直して、できるまで指導してしまうのは、できれば避けていただければと思っています。子供の実力をしっかり見て、単元ごとの評価をしっかり振り返ってほしいので、お子さまのテスト結果に合わせて復習ドリルを用意しています。万一問題を捨ててしまったという場合でも、テストの類題でしっかり復習をすることができます。

学校のテストでも必ず見直しをしているはずですので、同じ問題はできて当たり前ともいえます。復習ドリルだと同じ問題ではなく、異なる問題で練習できます。100点の子には、さらに力を伸ばすための高度な問題が届くので、ぜひ活用してください。

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