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2015年09月11日更新

男女脳から考える かかわり方のヒント

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高学年へ向けて、自分で考えてやるべきことを行動に移してほしい、と思っても、「何度言っても動かない」「子供に響いていない」と悩むおうちのかたは多いようです。実は、男性と女性では脳の働きが異なるので、それぞれに効く声かけや関わり方があるそうです。そこで、今回は脳科学の専門家・篠原菊紀(しのはらきくのり)先生に、男女の脳の働き方の違いと行動の関係について、お話を伺いました。
(文/大島佳子)
篠原菊紀(しのはらきくのり)先生

諏訪東京理科大学共通教育センター教授。専門は脳科学、健康教育学、精神衛生学。さまざまな状態における脳の活動を研究し、「子供が勉強好きになる子育て」(フォレスト出版)ほか子供の教育分野での著書も多数執筆している。

会話の内容を、
男性は言葉どおりにとらえ、女性は感情も含めてとらえる

男性はひとつのことに集中しやすく、女性はいろいろなことを同時に行うことができる、そんな話を耳にしたことはありませんか? 
「男性と女性では、脳の構造や活動に違いがあり、それが考え方や行動にも現れるのです」と篠原先生。

「脳の活動を調べたさまざまな実験によると、男性と女性では、神経の接続のしかたに違いが見られます。大脳には右脳と左脳がありますが、男性は片方の脳内での神経の連結が強く、女性の脳は右脳・左脳間の神経の連結が強い。そのため、男性は右脳と左脳を別々に使うのでひとつのことにのめり込みやすく、女性は左右の脳を同時に働かせるので複数のことが一度にできる傾向があることがわかっています。
また、言葉ひとつをとっても、男女では伝え方や受け止め方が違います。会話をするとき、人は左脳の『ブローカ野』という発話や言葉の理解に必要な場所を働かせて話しますが、男性はこのブローカ野だけが活発に働くのに対し、女性は右脳の『ブローカ相同野』という言葉の抑揚や音韻に関連する場所も同時に働かせて話します。そのため、男性はシンプルに言葉そのものを受け止めますが、女性は言葉だけでなく声のリズムや声色など言葉にのっている感情も含めて受け止める傾向があります。よって、お子さまが女の子の場合には、単に事実や要件を伝えるのではなく、声色や表情なども含めてどう伝えるか、伝え方を工夫してみるとよいでしょう。

このように、さまざまな脳科学の研究により、男性と女性では脳の働き方に異なる傾向があることが明らかになっています。そこで、上記以外の男女の脳の働きの違いからくる、子供の心に響く関わり方の違いをみていきましょう(図参照)。

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【男の子への関わり方のヒント】

・外からの情報を取り入れるとき、男性は、言語に比べ映像・画像の情報のほうが情報を取り入れやすいという研究結果が出ています。そのため学習においても、言葉や文章だけで伝えられるより、映像・画像で表されたほうが深く理解できます。
例えば算数の文章題では、内容を図化することでぐんと理解が深まることが。親子の会話でも、言葉で伝わらないと感じたら、動きや絵などで示してみるとよさそうです。

・次に、男性の脳はヒエラルキーで物事を見る傾向があり、そのため自分と他者を比べ、自分がより高いポジションに行きたいと考える競争的な面があります。そこで勉強においても、「がんばれば一番になれるよ」といった競争心をくすぐる声かけがモチベーションになりやすいといわれます。その際、短期間のストレスに対しては、男性ホルモンが扁桃体や視床下部で危機対応の活動を高め、逆に元気が出てくる働きがあるので、一時的にプレッシャーをかけるような関わりは男性には効果的です。ただし、長期間ストレスをかけ続けると簡単に弱ってしまうので、注意が必要です。
また、男性は運動などをつかさどる小脳の左右の連結が女性より強いため、知覚してすぐに行動しやすい傾向があります。そうした行動的な面を肯定してくれると、幸せと感じます。そのため、自分から勉強を始めたときは、行動ができたことを認め、「自分からできてえらい!」「いい感じで進んでいるね」など、行動できたことを認め、励ますような言葉をかけると気持ちが盛り上がるでしょう。

【女の子への関わり方のヒント】

・大脳の右脳と左脳を同時に働かせることができる女性は、言葉そのものをそこにのせられる感情を含めて受け止めるので、会話を通して相手の感情を読み取ることが得意です。親子間でも、母と娘の女性同士は特に、言葉だけで意図が伝わりやすいと言えます。
そのように相手の気持ちがよくわかるからこそ、共感・同調することが、人とのコミュニケーションの基盤になります。相手からも自分の気持ちに共感してもらうことが心地よいと感じるので、女の子には「お母さんもそう思うよ」などと声をかけると、安心できます。

・また小脳では、左右の連結が強く行動に移るのが速い男性に比べ、女性は、左右の脳の間よりも片方の脳内での神経の連結が強いので、直感は働くが行動にすぐに移せないところがあります。他者からは、そういった慎重な面に対して共感してもらうと、心地よさを感じます。
例えば、勉強がうまく進んでいないとき、「難しいもんね、悩んじゃうよね」とすぐに行動できない思いを汲み共感してあげると、気持ちが落ち着き取り組みやすくなるでしょう。



【編集室より】

おうちのかたが、異性のお子さまに対して言葉が響いていないと感じることが多いとしたら、上記のヒントから関わり方を見直してみてはいかがでしょうか。とはいえ、脳の発達や行動への影響は、個人差が大きいと篠原先生。男女の違いは大きな傾向として参考にしつつ、お子さまをよく見て関わっていきたいですね。

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