直島で育ち、高校時代にアルバイトで直島文化村の仕事を色々とやりました。この広いエリアのランドスケープ維持のため、植栽の剪定作業をすることが多く、身体を動かすことが好きな自分に合っていると思います。就職して５年になりますが、仕事場に大好きな景色がたくさんあることが、やりがいのひとつになっています。なかでも一番好きなのは瀬戸内海を一望する『オーバル』に行く途中からの眺めです。

仕事の守備範囲は広いです。全棟65室の客室、施設点検をして、必要があれば塗装の直しや電気系統などのメンテナンスをします。直島文化村全体の木の手入れにも時間をかけています。客室はすべて海が見える設計ですが、木が茂って景色を邪魔することがあります。担当としてそこに気づけることが必要です。職場には20年以上、この仕事をされている方がいるので、やり方を観察しています。「見て盗む」のが僕のやり方なんです。

僕は直島の秋祭りの神輿に命をかけていますし、時間があれば釣り竿を持って出かけて、鯛やチヌやサヨリなんかを釣っています。とにかくこの島が大好きなんです。だから来てくださった方には、お客さまはもちろん、移住して来られた人たちにも、直島のことを好きになってもらいたいんです。植物やアートに興味があり、明るい人なら、この仕事に向いていると思います。